最高裁判所第三小法廷 昭和56年(あ)1501号 決定 1983年6月07日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人仁科恒彦、同長谷川成二、同山田鷹之助、同浜口清六郎、同高木一の上告趣意は、憲法三一条、三七条違反をいう点を含め、その実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。(なお、本件は、母親留守の間に隣家に入り込み、就寝中の幼女の顔面に熱湯を浴びせ、著しい瘢痕等を残す重度の熱傷を負わせた事犯であって、その態様の残忍性、結果の重大性、被害者及びその家族に与えた影響、犯行後の情状等にかんがみれば、原判決の維持した第一審判決の科刑はやむを得ないところと認められる。)
よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 横井大三 裁判官 伊藤正己 裁判官 木戸口久治 裁判官 安岡滿彦)